2026.05.07

春は短し

春が好き

肌を刺す白い空気が瑞々しく色づき始める
重たく鈍い色の上着が軽やかで華やかな装いに変化する

草が背伸びし 花が歌う
風が肌をくすぐり 光が扉を優しく叩く

だのに

橙色の彼奴がやってくる
彩度が高い像が網膜に焼けつく

透明な炎が隙間を塗りたくり
無機質な地表の上で調理される

涙する
額が 背中が 腹が 足が 腕が 掌が雫を流す

白と橙の短い狭間
疾駆の春を謳歌する

CT事業部東京ディビジョン/T・M